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コイーバ(Cohiba)は名実ともに数あるシガーブランドの頂点に立っていると言っていい。


それはその価格であったり、限定品を初めとする販売戦略であったり、または偽物の多さであったりする。
葉巻について調べた事がある人ならだれでも一度は黄色に輝く"COHIBA"ロゴを見た事がある筈だ。



そして、コイーバは他の葉巻と比べて高価である。
もちろん、これがシガーブランドの頂点たる理由といってもいいかもしれない


しかし、なぜコイーバは高いのだろうか?


まず、どれだけ高価か、ここで筆者とあなたの認識を合わせておかなければならない。

日本では法律の関係上、紙巻き煙草はもちろん葉巻も含めて販売価格は一定であるので、価格比較がしやすい。
ここではペティ・コロナと呼ばれる小さめのサイズの葉巻の値段を比較してみよう。

コイーバ・シグロII              2400円
ロメオyフリエタ No.2           1300円
モンテクリスト No.4            1400円
パンチ ペティ・コロナス    1300円
パルタガス・コロナス      1600円

ここに挙げたのはいずれも有名なブランドであり、どれもがプレミアム・シガーと呼ばれるものだが、それでもコイーバの高価さは目を見張る数値であることがお分かりいただけるだろう。
ここに挙げただけ少なくとも800円の価格差があるのである。ペティコロナの葉巻がもう一本買えそうである。もちろん、コイーバ以上に高い葉巻も存在はすることは明記しておく。

さらに言えば、Gran ReservaやBihike等と言った限定品のコイーバの価格は恐ろしいレベルである。
興味の有る方は調べてみるといい。正に札束に火を付けるような物である。

この"コイーバ税"とも言える価格差は一体どこからくるのだろうか。



まずコイーバというブランドの歴史を顧みてみよう。


コイーバの葉巻はキューバの記録によれば1968年から存在したとされている(キューバが社会主義国ということで信憑性には疑問符がつくが)が、
当初はキューバの政府高官用/来賓用の葉巻として生産されていたため、然るべき身分の人間しか手に入れることができなかったようである。フィデル・カストロが愛飲していたのもコイーバのランセロであるといわれている。

これらが一般に開放されたのは1982年。そのためハバナシガーのブランドとしては新しい部類に入る。ロメオyフリエタやパルタガスの歴史が19世紀に遡ることを考えればつい最近と言える。

1982年に一般販売された後は、その品質と生い立ちから瞬く間にシガーブランドの頂点に上り詰めた。その後もラインアップを拡大しつつ今に至っている。


コイーバは確かに高品質である。
他のプレミアム・シガーと比べてもその品質への拘りは異常といってもよい。

基本的にハバナから車で30分ほどの郊外にあるエルラギート工場でのみ生産されている。
2-3年の熟成を経た上、さらに手作業で選別された専用のタバコ葉を使い、親族雇用が原則の工場で職人の手で巻かれる葉巻は芸術品といってよい。
通常、葉巻の見た目、というものは—よほど酷く無い限りは—鑑賞に供することが出来るが、味には関係ない。
しかし、コイーバは見た目も良い。



写真を見れば分かる通り、コイーバのラッパー(外側の葉)はしっとりとしてつるつるである。
ポル・ララニャガなどはごつごつしていてでこぼこも多く、脂っこい表面をしているが、ハバナシガーの王者たるコイーバは見た目も重要なのである。(もちろん、ポル・ララニャガもおいしい葉巻である。)


そして肝心の味であるが、これは勿論すばらしいものである。
煙は糸引くように濃厚かつシルキーで、ナッツのような香ばしさ、華やかな香り、時折感じるココアやハーブ、蜂蜜のような香りはどのヴィトラでも共通している。

しかしコイーバをコイーバ足らしめているのは厳密にはテイストそのものではないと筆者は考える。
筆者は、コイーバの特徴はなんといっても「安定した品質」であると考える。


コイーバと肩を並べる、トップブランドのプレミアムシガーは全て手作業で巻かれている。
逆に言えばそれがプレミアムシガーである。
しかし自然の物を2-3年熟成させ、それを人間が選別し、人間が一本一本手作りしている関係上、どうしても「個体差」と呼べるものは存在し、それが所謂"アタリ"・”ハズレ”といったものを生み出す。
この傾向は小さいヴィトラの葉巻により顕著である。
小さいヴィトラは一本に使う葉の量が少なく、また製造するトルセドール(職人)が多く生産数も多いため、ある程度のばらつきは避けられない。


しかしコイーバは驚く程ばらつきが少ないのである。

いままで筆者は十数本のコイーバを試しているが、そのどれもが、驚く程安定している。
ばらつきが全くないとは言わないが、いつもコイーバを吸って得られる味覚、感覚、ひいては幸福感というものは同じである。
ロメオyフリエタのペティ・コロナスなどは、トップブランドであるが故、所謂”ハズレ”というような物は殆どないが、”アタリ”が存在する事は確かである。
もちろん、この「個体差」を楽しむのも数ある葉巻の楽しみ方の一つではある。
しかし、一息つきたいというときに葉巻に求めるものとして、「安心」すなわち安定感というものを大事にする人もいるであろう。
コイーバは、その点、常に"アタリ"を引くことが出来る葉巻、という点で優れているのである。



この安心感を得るために"コイーバ税"があるといっても過言ではない。
他の葉巻の8割増の"コイーバ税"を払って安心の葉巻を手に入れるかどうかはあなたの自由である。

これを払わないでコイーバの恩恵に預かろうという人は少々痛い目を見るかもしれない。

コイーバはそのプレミアムシガーとしてのブランドを、高品質を維持するため、生産数は限定されている、とされている。
勿論、数に限りのあるタバコ葉を数年熟成させ、その中から選別するのであるから生産数は限られる。
高価で、生産数の少ないとなれば、出るものは決まっている。偽物である。


▲悪名高い、"Glass-Top"箱のコイーバ(偽物)

キューバに観光旅行に行けば、街の至る所で、店舗だけではなく露天で葉巻を売っている光景を目にすることができるだろう。
中には「コイーバハマキ!ヤスイヨ!ヤスイヨ!」などと日本語の文句を覚えている輩もいるようである。
そうなれば、葉巻に興味が無くとも土産に買って行きたくはなる物だ。
しかし葉巻の本場キューバと謂えども、本物のプレミアムシガーを買って行くとしたらそれは幾分高い土産になることは覚悟しなければならない。
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