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								 モダンデザイン。
 
													 モダンという言葉が持つ意味は、ほとんどの人が理解しているとおり「近代的」である。 
しかしこの言葉を使う時ー特にデザインを語る際ーには少々留意しなくてはならないことがいくつかある。 
 モダンは英語でModernと綴り、これは「近代/現代的な」という意味を持つ形容詞である。 
MoMAは(New York)Museum of Modern Artの略であり、これは即ちニューヨーク近代美術館を指す。 
 日本人はモダンという言葉に、過去的なものではなく未来的なものを見る傾向が強い。 
つまりそれはモダンという言葉が、多くの日本人の脳内でそのままモダンデザインという言葉に直結しているということである。 
 例えば、ドイツにLamyという筆記具の会社があるのだが、この会社はLamy2000というペンが有名である。 
このペンはモダンデザインの好例とされるペンであるが、デザインされたのは1966年である。 
 1966年といえば東海道新幹線開通直後であり、誰しもがレトロフューチャーと認めるデザインの0系新幹線が時代の先駆けとして走り抜けていたころであり、カラーテレビが一般家庭に普及して間もないころであった。 
 たしかに1966年は近代(Modern)ではあるが、日本のほとんどの人々は、1966年という時代自体に全く”モダン”を感じないであろう。 
日本人のほとんどにとって、モダンというのはモダンデザインがもつ先進的洗練性であり、つまりそれは未来的なイメージを常に纏うのである。 
 科学文明が華開いた20世紀においては、万物のデザインは常に機能性を念頭においたものであった。 
派手な色彩や柄で敵を威嚇することを目的としていた戦闘服は、なるべく敵に見つからないような迷彩に姿を変え、 
飛行機や車などのデザインは常に空気抵抗との戦いであった。 
 つまり21世紀の現代におけるモダンデザインとは、20世紀に華開いた機能的洗練性をもつデザインのことであり、 
モダンデザインという言葉それ自体には、本来特定のデザインの方向性は内在していない。 
 本来のModern Designの意味には、それこそ近代的デザインの意味しか持っておらず、それは1920年代のドイツ・バウハウス/ロシア・アバンギャルド、1930年代アメリカの流線型志向などの「近代」デザインを指す訳である。 
 しかし日本の場合は、モダンデザインというその言葉自体が近未来的洗練性を持つデザインの総称であるかのように使われる傾向が特に強い。 
 前回書いたとおり、現在のAppleの製品のような機能的洗練性をもつモダンデザイン、即ちシンプルネスを基調としたデザインは50年以上前にラムスをはじめとしたドイツのプロダクトによって完成されていたといって相違ないと思われる。 
 21世紀の現代に於ける「近代」とは即ち20世紀そのものであり、それは機械化による大量生産の時代である。数多のプロダクトは必然的に大量生産に向いたデザインに形を変え、それは即ち「なるべくデザインをしないデザイン」であった。 
 しかしそれは結果的に「使いやすさ」というデザインの重要な一要素を人々に如実に認識させ、もはや現代のモダンデザインには大量生産の意図は内包されていないように見える。 
 次の100年は「環境の時代」と呼ばれるようになる、というのは良く云われる事だが、100年後のモダンデザインは一体どのような物になっているだろうか。 
それを考えたときに、もはやこれ以上のシンプルネスをプロダクトに求めるのは的を得ているとは云い難いし、もはや万物のシンプルネス化は限界に近づいているようにさえ見える。 
 このままプロダクトにシンプルネスを求めれば、それはいつか「デザインの地平」に到達してしまう気さえする。 それが果たしてデザインとして優れているかどうかは見てみない限りは分からないだろうが、「地平」に到達してしまったデザインにさらにその先という物は存在しないだろうと思う。 PR 																															 | 
				
					 
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